独立開業する場合に必要になってくるのが商品の仕入れです。
コンサルタント業や専門職での開業の場合は仕入れは必要ありません。
小売業やネットショップや飲食業を営む個人事業主には必ず必要です。
同業者より安い値段・質の良いものを提供するためには、高品質な商品仕入先の確保が大切です。
販売業の場合は仕入れが開業する・運営するうえで一番大切です。
仕入れを制する者は、全てを制するといっても過言ではありません。
仕入れが事業の存続・経営の全てを左右するほど重要なポイントです。
ここでは主に小売り業やネットショップ運営に必要な仕入れ方法を紹介します。
商品流通の現状を理解する
昔から流通の基本な形としては
「メーカー」→「問屋」→「小売店」→「消費者」でした。
小売店の個人事業主は一般的には問屋から仕入れるのがスタンダードでした。
ネットショップが多く存在するようになってからは流通も変化しています。
今の流通では
「メーカー」→「消費者」
「メーカー」→「小売店」→「消費者」
の流通が非常に多くなっています。
これはネットで商品が販売できるようになってからです。
メーカーが商品を作り、自社のネットショップで消費者に直接販売する形が増えました。
問屋を通すより直販したほうが利益が増えるからです。
問屋を通さず小売店に卸すメーカーも増加しています。
つまり、個人事業主は小売店になりますので、商品の仕入れ先が豊富にあることになります。
今までは手に入れることが出来なかったメーカー品を仕入れることもできます。
問屋として独立開業を考えている方は、ある程度のツテがないと厳しい現状です。
問屋として成功するにはネット卸しサイトなどの展開が必須になります。
地域密着型の問屋よりネットで全国の小売りを相手にする方が圧倒的に利益がでます。
メーカーとして、問屋として、小売りとして独立する全てに共通することはネットを利用します。
インターネットをうまく利用することが今の時代には必要になります。
現在の流通事情を確認し、最良な方法での開業・運営を考えましょう。
仕入れ先のチェックポイント
仕入れ先を決めるうえで必要最低限のポイントがあります。
どんな企業からでも仕入れをすれば良い訳ではありません。
本当にベストな仕入れ先かどうかを事前に確認することは重要です。
- 取扱い商品数が多く毎年新商品を発売している
- 担当をつけてくれて仕入れに関する相談がしやすい
- 正確に納品してくれる(納品書をきちんと添付する)
- 1個単位から注文でも対応してくれる
- 仕入価格が安く、保証金などを請求しない。
- 在庫表で社内在庫を管理している。
- 商品の売れ行きを気にしてくれる。
商品の仕入れは出来る限り大手企業の方がよいですが、個人事業では取引してくれるところは少ないです。
中小企業で、個人事業に対してもきちんと対応してくれる企業を選びましょう。
これから長く付き合っていく取引先です。
お互いが気持ちよく取引できるような人間関係が築きあげることが必要です。
ネットで検索すると企業の規模・資本金・社員数などもわかるので活用しましょう。
商品の仕入れ方法
商品を仕入れる企業をネット検索して探す
売りたい商品が決まっている方は、商品の製造元や販売元を調べれば企業がわかります。
企業がわかれば直接、問い合わせてみて取引ができるか確認します。
商品が決まっていない方は「新規取引先募集」「代理店募」「販売店募集」「卸問屋」などで検索します。
問屋がわかれば商品のメーカーもわかります。
メーカーと直接取引ができるか確認し、できなければ問屋と取引しましょう。
企業のホームページから直接、販売店登録できる企業もあります。
ネット上で簡単に取引ができるので、何社でも登録しておくことをおすすめします。
ネットだけではなくFAXや電話・直接会って契約する企業もあります。
企業によって契約方法は異なりますので、相手の企業に任せるようにしましょう。
実店舗・問屋街から仕入れ先を探す
大手ショップやメーカー直営店などに直接行って話をしても交渉はできません。
地域にある比較的小規模のショップに問い合わせてみるのもひとつの方法です。
自社でネットショップをしていれば取引は難しいので事前に調べましょう。
ネット販売をしていないのであれば、販路が広がる話なので、聞いてくれる場合があります。
地域にある問屋街で仕入れ先を探す方法もあります。
問屋街というほどですから問屋が数多く存在しています。
売りたい商品を扱っている問屋があれば交渉しましょう。
展示会を利用する
全国各地で企業が商品をお披露目する展示会が開催されています。
中でも有名なのがギフトショーで毎年定期的に東京・大阪・福岡などで開催されています。
ギフトショーは、数多くのメーカーや問屋が集まります。
2~4日間程度開催していて、一日ですべて見ることは困難なほど多数の企業が参加しています。
探していた商品や仕入れ先が見つかる可能性が非常に高いです。
担当者と直接話をしたり、商品を実際に見ることができます。
場所が限られているのがデメリットで東京・大阪・福岡のいづれかに行かなければなりません。
交通費や宿泊するなら宿代などの費用がかかるので、個人事業主の方には負担があります。
しかし、販売業を営むなら必ず行く価値があります。
とにかく圧倒的な出店数です。
サンプルやカタログももらえるので、持ち帰ってから後日交渉することもできます。
個人事業主の場合は取引ができない企業もあります。
それでも出店数が多いので、必ず取引ができる企業が見つかります。
店舗がないネットショップの運営の場合でも取引できる企業はたくさんあります。
ギフトショーは必ず名刺が必要になります。
開業したばかりの方や今から開業する方でも名刺を先に作成しておきましょう。
関連記事:ギフトショーで取引企業を探す裏技
関連記事:名刺をつくる必要性
海外から仕入れる
最近ネットショップを運営する企業が多く参入しているのが海外からの仕入れです。
海外の商品で売りたい物がある場合は、扱っている海外ネットショップやメーカーへ直接交渉しましょう。
eBayなどの海外オークションから直接購入して日本で販売する方法もあります。
この場合は基本的に英語のスキルが必要になります。
英語ができない方でもが海外の商品を購入する方法もあります。
eBay公認日本語サイト セカイモンを利用すれば英語は必要ありません。
海外で出品されている商品を日本語で購入できるので非常に便利です。
日本では手に入らないような商品やヴィンテージ商品などを仕入れることができます。
オリジナル商品を作成する
物づくりの技術やスキルがある方はオリジナル商材を作るというのも方法です。
自分の店にしかないオリジナル商品というのは非常に強みです。
ヒット商品ができれば安定した収益をもたらしてくれます。
自分で作る技術やスキルがない人でもOEMで企業にオリジナル商品を作ってもらう方法があります。
OEMには条件があることが多く、少量で依頼を受けてくれる企業は少ないです。
最低ロット数があり、前払いになる場合がほとんどです。
ある程度の運転資金がないと難しい方法ではあります。
売れなかった時には在庫が余ってしまうことになります。
売れれば独占して販売できるので、他社との差別化ができます。
OEMとは
他社ブランドで販売される製品を製造すること、あるいはその製造を行う企業のことです。
相手会社の発注品の、相手先ブランドの形をとった生産のことです。
つまり、企業に製造を依頼し、企業のブランドではなく依頼した企業のブランド商品を作成します。
企業に依頼して自分のオリジナル商品が作れるという事です。
商品仕入れで注意すること
会社概要を作成する
相手先の企業などと取引をする場合には自分の紹介をしなければなりません。
会社の規模・事業内容・社員数・資本金・主な取引先などを記載した会社概要を作成します。
取引の時に会社概要が必要になるので事前に作成しておきましょう。
ネットでテンプレートなどをダウンロードすることもできるので活用しましょう。
取引条件を確認する
取引先との交渉の際に必ず聞かなければならない事項があります。
掛け率(売値の何%で買えるか?)とロット数(仕入れる数)です。
掛け率とロット数は交渉する時に優先的に確認します。
掛け率が70%や80%では利益が少なくなります。
ロット数が数十個・数百個単位では在庫を多く持たなければなりません。
掛け率は低いかロット数は少ないかを優先しましょう。
いい商品・売りたい商品でも掛け率とロット数が厳しければ取引しない方が良いです。
経営を圧迫することになりますので、きちんと交渉時に確認しましょう。
仕入れの支払い方法を確認する
取引先との交渉の際には支払方法も確認しましょう。
最初はほとんどの企業がキャッシュ(現金)での取引になります。
継続して仕入れをし信頼関係が築ければ掛け売りと言って後払いにしてくれる場合があります。
最初に複数の企業と取引するのではなく、一社と密な関係になる方が金回りがよくなります。
掛け売りにしれくれる企業を多く作ることが、うまく経営する方法になります。
商品仕入れにおすすめのサイト
・もしもドロップシッピング
誰でも簡単ドロップシッピング。
在庫を持たなくていいのでノーリスク。
・eBay公認日本語サイト セカイモン
海外商品を仕入れることができる。
海外オークション大手のイーベイ公認サイト
仕入れのルートの作成は、事業をおこなう上でとても重要です。
仕入れにはたくさんの専門用語があります。
専門用語や知識を前もってインプットし、仕入れの交渉をしましょう。
ネットで物を売るのが当たり前の時代になりました。
企業も時代に合わせた戦略が必要になるので、ネットを活用しています。
多くの企業がネットで商品を販売することに抵抗がなくなっています。
そのため、店舗を持たないネットショップでも取引がしやすい環境になっています。
商材探しで目利きのスキルを磨き、安定した仕入れルートを作成しましょう。
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